一時期「水泳」というスポーツには、少なくともダイエット目的で行う場合には、いろいろと誤解がありました。
たとえば、「プールは温度が低いから脂肪を溜めやすくなって痩せない」とか「身体が水を吸収するから痩せない」とか「思ったほどのカロリー消費量はない」などの口コミです。
しかし、実際調べてみると、現在では水泳を中心に行うプールダイエットは、いろいろなダイエット方法の中でも最もダイエット効果の高い方法のひとつとして考えられているのです。
ですので、効率的にダイエット行って、かつ均整の取れた美しい筋肉を手に入れたい人は、ぜひこのコラムを読んでプールダイエットに挑戦してみてください。
プールダイエットとは?
それではまずなぜプールダイエットが効果的なのか、という点について解説していきます。水泳は最も痩せるスポーツ

体温低下に伴う効果
人間の身体は体温が下がると、自らの脂肪を燃焼させエネルギーを作ります。したがって、体温より低い温度である水の中で行う水泳は、皮下脂肪を始め余計な脂肪を落としやすいのです。浮力の活用
水中の浮力で膝などの関節や腰に負担がかからないので、けがをせずに運動を続けやすい、という点があります。地上で行う運動は、特に体重が重い人は自分の体重の負荷に関節が耐えられず、運動をしているうちにそこを痛めてしまう傾向がありますが、水の中の運動である水泳はそのリスクを軽減してくれます。水の抵抗による運動効果
水の抵抗があるので、地上に比べて運動効果がアップすることです。水中の運動をする場合、水圧が陸上にはない抵抗をかけてくれるので、それが程よい負荷になって、運動効果、ダイエット効果が増すのです。ストレス発散効果
水中の運動は気持ちがよく、ストレス解消できることです。有酸素運動を続けていると、自律神経のバランスがよくなってストレスが解消されますが、その効果は水の中ではさらにアップします。ゆっくりと泳いでいると、水と自分が一体化したような気分になって、たまっていたストレスが解消されるのを実感する人も多いでしょう。ストレッチ効果
特に水泳は全身を使う運動なので、身体中の筋肉を程よくストレッチしてくれることです。また同時に運動によって血管が広がって血流がかなり良くなります。この相乗効果で、身体の疲れや、筋肉のコリをほぐしてくれます。 以上のような効果があるので、プールダイエットの中でも特に水泳は、もっとも効率的に痩せるスポーツだといえるのです。泳げなくても大丈夫

プールダイエットの理想メニューは?
それではプールダイエットを行ううえで、水の中でできる運動(泳法)はいろいろとありますが、最も適しているのは何でしょうか?平泳ぎが効果絶大
水泳に限らず、すべてのダイエットのための有酸素運動に共通している大切なことは ・身体に必要以上の負荷をかけない ・長い時間できる ・深い呼吸をしながらできる という点です。 それをさらに水泳に限っての大切なことを加えると ・正しいフォームで泳げる ということも入ります。 そういう意味では、カロリーの消費という点では、しっかり「正しいフォームで」「長く」泳げれば、クロールやバタフライが最もカロリーの消費量は多いです。クロールを全力で1時間泳ぐと、約680kcal消費できます。 しかし問題は「正しいフォームで」「長く」泳ぐということです。これができないと、有酸素運動によって基礎代謝を上げる効果は半減しますし、脂肪も燃焼しにくく、逆に変に筋肉がついたりします。それは結構、初心者には高いハードルです。 そういう点では、初心者や中級者が取り組むプールダイエットとしてバランスがいいのは、平泳ぎです。クロールに比べてカロリー消費量は「全力で泳いだ場合は」少ないですが、それでも消費カロリーは1時間に680カロリーとほぼクロールと同じくらいです。 加えて、初心者でもほどほど正しいフォームでゆっくりと長く泳ぐことができるので、初めてプールダイエットに挑戦するのであれば、平泳ぎが一番良いでしょう。平泳ぎ30分で246kcalの消費
長く、比較的正しいフォームで、呼吸をしっかりしながら、ゆったり泳ぐという意味では、平泳ぎは最適です。加えて、その泳ぎ方をしても30分で246kcal消費できますので、地上で同じ時間ウォーキングをした場合の約3倍のカロリー消費量です。 その平泳ぎですが、泳ぎ方が2種類あります。1つはストレート泳法という「頭を出したまま」泳ぐ方法です。もう1つは頭を水中に入れるウェイブ泳法です。 どちらの泳ぎ方でも、先に上げた条件で泳ぎやすいほうを選べばいいのですが、比較すると、ストレート泳法のほうが顔をずっと上げている分、背筋に負荷がかかり、場合によっては腰を痛めるケースもあります。ですので、顔を水につけるのが苦手でなければ、ウェイブ泳法がおすすめです。クロール30分で191kcalの消費
「誰でも簡単に正しいフォームで長時間」ということができれば、クロールが最もカロリー消費量は多いです。性別や年齢によって差はありますが、1時間クロールで泳いだ場合の消費カロリーは最大で1300kalです。 ただし、何度もいうようにそれはいくつかの条件を満たした泳ぎ方ができれば、の話で、それができない場合は、30分で191kcal程度のカロリー消費になります。 それでもクロールが好き、という人の場合は、200mを泳いだくらいから脂肪が燃焼してきますので、それ以上の距離を泳げるような、うまい息継ぎと、力を入れないで泳げる技術を磨きましょう。ゆったり続けられるメニューが理想
有酸素運動でダイエットをするときに大切なのは ・無理なくできる ・続けられる ・呼吸をゆったりできる(息をつめて行わない) ということで、これはプールダイエットの場合も全く同様です。 ですので、ゆったりと続けられるメニューや泳法を選択しましょう。泳ぎに慣れていない人は、ビート板や浮き具を使ってもいいですし、最初は25m泳ぐので精一杯でもかまいません。 距離で言えば、最初は25mから始まっても慣れてきてコツがつかめれば、50m、100mと距離は伸びていきますし、時間で言えば、最初は15-20分泳いで疲れたら休み、また泳ぐ、というやり方から始めて、だんだんと30‐60分泳げるようにしていけばいいのです。 いずれにしても無理をしないで長く続ける、ということが最も重要です。プールダイエットでのウォーキングは?

ウォーキングでも効果あり
水中では浮力によって関節や足腰にかかる負荷が減ります。逆に水圧が筋肉に適度に負荷をかけてくれます。ですので、プールでのウォーキングは、地上をウォーキングするよりも効率よくダイエットができます。 ただし、単純にプールの中で歩いても大きな効果は期待できません。正しい姿勢で、正しく効果のある歩き方で、ウォーキングすることが重要です。最悪の場合は変な負荷がかかって、かえって腰を痛めてしまうこともあり得ます。ですので、以下を参考に正しい方法でウォーキングを行ってください。 まず歩く時の姿勢です。胸を張って頭が真上に引き上げられているような意識をもって立ち、腹筋をへこませて骨盤から先に歩くような感覚でウォーキングします。ウォーキングの最中も頭がぶれないようにして、目線はまっすぐ前を見ましょう。 次にいくつかのウォーキングの方法を説明します。1.歩幅の広い歩行
肩が水中に沈むくらい歩幅を広くとって、両腕を大きく振りながら歩きます。目的はウオーミングアップですから、始めはゆっくり股関節を伸ばすことを意識して歩いてください。2.膝を上げての歩行
膝をできるだけ高く上げ、身体を前に倒しながら足の甲を前に突き出しながら歩きます。3.膝を広げた歩行
足を前に踏み出したら、後ろの残された足を横90度に広げ、前に円を描くように踏み出します。歩きながらの平泳ぎのような感じです。これによって腰がひねられ、ウェストの贅肉が落ちます。4.横歩きで歩行
上体を水中に沈め横に歩きます。手と足は水を押しながら歩きましょう。5.蹴りだし歩行
水の中でボールを蹴るイメージで、足を蹴りだして歩きます。プールダイエットの頻度は?週何回行けばいいの?

週1回でも効果あり
30分の平泳ぎで消費するカロリーは、約250kcalです。1kg痩せるのに7000kcalの消費が必要ですので、基礎代謝がアップすることを除くと、週1回通うと1kg痩せるのに、約7か月かかります。もちろん基礎代謝が上がりますので、実際はもっと痩せるスピードは速いでしょうが、それくらいのペースでもよければ、週に1回でも効果はあります。 それを30分ではなく、ちょっと頑張って1回2時間を休みながら泳げば、1か月に1kg痩せることができます。これでも十分な効果といえるでしょう。週3回が理想的なペース
ただ、ダイエットとして目に見える効果を感じたいのであれば、週3回くらいがいいペースです。毎日通うと疲労が取れないので、泳ぐフォームも乱れ、かえって悪影響が出ますので、泳いだ疲れをとりつつ続けるのであれば、それくらいが適切でしょう。 それで、毎回1時間を週3回続けたとしたら、1か月で1kgづつ痩せていきます。半年で6kgのダイエット成功です。これであれば、つらくないので続けられますし、ダイエットの目に見える効果も出ますので、モチベーションも維持できるでしょう。時間は1時間以上で効果を感じやすい
また、プールに行った際は、できれば1時間以上泳ぐのが理想的です。有酸素運動は始めて20分くらいから脂肪が燃え始めますので、最低は30分泳がないと効果は期待できません。ですので、そこから頑張って1時間以上泳げば、かなりのダイエット効果が期待できます。 ただし、泳ぎ切った後に、息が軽く弾む程度でやめておきましょう。苦しくなって、肩がゼイゼイするのは、有酸素運動としてはハードすぎます。もしももっと身体を動かしたかったら、泳ぐのをそこで終わりにして、あとはウォーキングに切り替えるなどの方法を選択しましょう。まとめ
カロリー消費が思ったよりも多いプールダイエットですが、当たり前ですが、消費カロリーよりも摂取カロリーが増えたら、ダイエットにはなりません。プールのあとはお腹が空いてご飯がおいしいのですが、そこでドカ食いしては元も子もありません。 プールダイエットをする場合でも、食生活には気を付けて、摂取カロリーもコントロールして行くことがダイエット成功の基本です。 また最後になりますが、プールダイエットに必要な道具です。基本は水着があればいいですが、最近のプールは髪型に厳しく、髪の毛を出したまま泳ぐことを禁止しているところも多いです。ですので、水泳帽は必需品と思ってください。 ゆったりとリラックスしながらダイエットができるのが、プールダイエットの最大のメリットです。ぜひ長く続けてダイエット効果を上げてください。パーソナルトレーニングジムでより効果的に痩せる!
